土地探しで驚いたのが、同じ地域の似たような場所なのに土地の価格が全然違う場合があることです。
土地の価格は地主さんが決めるので仕方がない部分はありますが、買う側としては損はしたくありません。そのためには土地の相場を把握することが大事です。
路線価から土地の価格は算出できる
毎年7月頃に路線価の公表について、新聞やテレビニュースで報道されます。ちょうど土地探しの真っ只中だったこともあって報道を見て路線価について調べてみました。
すると、路線価が分かれば「おおよその土地の相場(評価額)」が算出できることが分かりました。
ちなみに路線価とは・・・
路線価とは、相続税の計算をする時に使うものです。土地は時価を計算するのが原則ですが、すべての土地の時価を計算するのは大変です。そこで税務署は道路に値段をつけました。これを路線価といいます。この値段に土地の面積を掛けて土地の相続の評価にしました。毎年変わります。この路線価が発表になるのが8月、全国の国税局・税務署で公表されます。
土地売買のときは特にそうですが、売る側も買う側も損はしたくありません。そうなると土地の時価を知りたくなるのは当然の流れです。
わが家も土地探しのときは、気になる土地があった場合は、適正価格を知るために近辺の売り土地を探して価格を調べていました。でも、土地に付いている値札は決して時価ではなく、地主が売りたい価格なのです。
だから似たような場所なのに価格差が激しい地域もありました。
安く買えるに越したことはありませんが、損をしないためにも適正価格を知る必要があります。そのときに使えるのが路線価です。
これ以降は路線価をもとに土地の適正価格、いわゆる相場を調べる方法を紹介します。
路線価から土地の相場の調べ方(手順)
偕楽園付近の土地の相場を実際に調べてみます。
偕楽園には深い意味はありません。以前、偕楽園に家族旅行に行ったことをふと思い出し、今回のターゲットにしました。
1.国税庁の路線価図より路線価を知る
国税庁の財産評価基準書にアクセスします。最新版を選びます。執筆時点では[平成24年分]が最新版でした。

[茨城県]を選びます。

[路線価図]を選びます。

[水戸市]を選びます。

ここからは索引図のほうが探しやすいので[索引図へ]を選びます。

[偕楽園]付近を選びます。

赤枠あたりの土地だと面している道路に「68E」とあります。ここでは末尾の「E」は無視して数字の部分だけ読みとって下さい。千円単位の表記なので路線価は約68,000円になります。

”約”と書いたのには理由があります。正確には立地条件に合わせた補正計算が必要となります。たとえば土地の奥行きや道路が2面以上に面するといった条件が補正として加味されます。詳しくは下記の記事が参考になります。
今回はざっくりとした土地の相場で十分なので補正率は考慮していません。
2.路線価をもとに土地相場を算出する
算出のための公式
土地相場、公示価格、路線価には下記の式が成り立ちます。
公示価格 = 路線価 ÷ 0.8
したがって
「0.95」という数値は、不動産屋が感覚的にはじく値で流通性指数と呼ばれています。
不動産流通近代化センターの査定マニュアルには、比較事例法で0.95から1.05の範囲で入力することになっているようです。不動産屋さんの話では路線価からの算出だともう少し幅が必要ではないかということです。今回の計算式では最低値を利用しています。
「0.8」という数値は、一般的に路線価は時価の8割程度と呼ばれていることから使用しています。
公式に当てはめた実際の計算
先程求めた路線価が約68,000円だったので式にあてはめると
土地相場 = 89,474(平方メートル/円)
坪当たりに変換すると
土地相場 = 295,264(坪/円)
今回、調査の対象とした偕楽園付近の土地の相場は、一坪あたり約29万5千円となります。
この価格は路線価から求めた推定価格ですが、土地相場を判断する上で一定の「ものさし」になります。
土地の売買は、やっぱり買う側より売る側が有利か?

土地探しを経験してみて感じたことは、やっぱり売り主側のほうがいろいろな意味で有利なのかなと思いました。
たとえば買う側は、土地の相場を知るには、今回のように自力で計算する必要があったり何かと苦労です。しかし、売る側の立場である地主さんの場合は、土地の相場や近隣の土地売買での最高売却価格を知るためのサービスが充実しているからです。
おわりに
不動産会社の話によると土地探しは6か月~1年半くらいは覚悟した方が良いそうです。昔から土地は巡り合わせと言われますが、全くその通りだと思います。
素人なりに土地探しで経験したことを「土地探しのポイント」としてまとめましたのであわせてどうぞ。
ではでは。