火災保険を検討する際に重要なキーワードに、新価と時価という言葉があります。保険金額の設定時に用いる用語です。「時価」という言葉は日常で耳にしますが、「新価」と言う言葉は聞き慣れない言葉です。
新築住宅の場合は火災保険の設定は、新価が主流(ほぼ標準)となっており、時価を選ぶことはないと思うのですが、重要なキーワードに違いないので言葉の意味を知っておいて無駄ではありません。
それでは、ひとつひとつ言葉の意味を説明します。
火災保険の時価とは?そのメリットは?
まずは「時価」から説明します。時価というとお寿司屋さんをイメージする人が多いでしょうか。お寿司屋さんの場合は、その時の市場価格で金額が変動することを指します。
火災保険の場合も同様です。たとえば、新築住宅で保険金額が3,000万円。20年後に全焼させたと仮定すると、火災保険が時価設定の場合は保険金額がいくら払われると思いますか?
保険金額が3,000万円だとしても、そのときの「家の価値」が500万円だったら保険会社からは500万円しか払われません。
はっきり言って500万円では、少しの間の生活を維持するための見舞金にしかなりません。仮に住宅ローンの支払いが終わってないとなると最悪です。借金だけが残ってしまいます。
時価のメリットは何か?
あえて上げると、火災保険料が安いということです。その代わり、築年数が進むにつれて市場価格も下がるので、万が一火災にあった場合、目も当てられない状況になることを忘れてはいけません。
火災保険の新価とは?
「新価」は聞き慣れない言葉ですよね。
私が加入している東京海上日動さんの用語で言い換えると「再調達価額」です。こちらの方が雰囲気はつかめそうです。簡単に説明すると「同じ家を建てるために必要な価格」になります。
時価と同じ条件なら、新価の場合は、同じ家を建てるために必要な金額が支払われるので、保険会社から3,000万円を上限として保険金が支払われます。
保険料は高くはなりますが、万が一のときに役立つ保険になります。
保険金は金融機関に支払われる?建て替えできない?
火災保険が住宅ローンの質権に設定されてると、保険金の支払いは金融機関になります。そうなると新しい家は建て替えられない?のではないかという心配があります。
それまでの住宅ローンの返済に問題がなければ、金融機関は住宅再建のために協力してくれるケースが多いそうです。このケースについては、『火災保険の質権設定とは?』でも触れています。
契約の満期を迎えた場合、契約延長の際の保険金額は?
火災保険の新価のメリットは分かりました。
気がかりな点が1点あります。
たとえば、20年後に火災保険の満期を迎えた場合、保険をかけ直すことになりますが、その時点での建物評価額が500万円しかなかったら、保険金額は500万円?それとも3,000万円?
安心してください。3,000万円の保険金額で再契約することになります。
最近は新価が主流!
複数の火災保険を取り扱う代理店の話ですと、最近はどの保険会社も契約者側からお願いしない限りは新価での見積もりになっているそうです。
新価と時価の違いは伝わったでしょうか?
火災保険の根本的な部分ですので理解した上で、「新価」と「時価」を選択しましょう!
ではでは。